地球温暖化防止活動環境大臣賞「国際貢献部門」受賞!

 

当社が参画する産学官共同研究の民間航空機による大気観測プロジェクト「CONTRAIL」が、2017年度環境省の地球温暖化防止活動環境大臣表彰において、「国際貢献部門」を受賞しました。

 

これは、環境省が1998年度より地球温暖化対策を推進するための一環として、毎年、地球温暖化防止月間である12月に、功績のあった個人や団体に対し、その功績をたたえるために行っているものです。

 

当社は、2003年より大気観測プロジェクト「CONTRAIL(注)」に加わり、自動大気サンプリング装置(ASE)と二酸化炭素濃度連続測定装置(CME)という2つの装置を開発し、航空機に搭載するために必要な国土交通省航空局やFAA(米国連邦航空局)のSTC(追加型式証明)の認証を取得してきました。STCの取得により、これらの観測装置は日本航空株式会社が定期旅客便で運航するボーイング777-200ERや777-300ERに取り付けられ、地球規模で大気の観測データを採取しています。また、その解析結果は地球温暖化に関する研究のための貴重なデータとして国立研究開発法人国立環境研究所から世界中に配信され、活用されています。

当社はこれからも、地球環境の保全活動の一環として当プロジェクトに参画してまいります。

 

注:CONTRAILとはComprehensive Observation Network For TRace gases by AIrLinerの略で、この名称は2007年より使用しています。

CONTRAILプロジェクトとは

地球温暖化をもたらす大気変動のメカニズムを解明するため、産学官が連携する大気観測プロジェクトCONTRAIL。ジャムコは2003年よりプロジェクトに参画し、地球温暖化研究に貢献しています。

大気中の温室効果ガスを立体的に観測

地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの広範囲な観測を目的とした「CONTRAILプロジェクト」。大気中のどこにどのような濃度で、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが分布しているかを精密に観測するためには、地上からだけではなく、航空機を利用して三次元的に観測することがとても重要です。プロジェクト開始以前は、シベリア上空など一部の地域においてチャーター航空機を用いた観測が実施されていましたが、毎日世界の空を飛んでいる民間航空機で観測できれば、より頻繁に、精密なデータを収集することができます。また、地球規模で世界各地の観測ができること、地表から上空まで高さの違いなど、空間的に詳細な温室効果ガスの分布を調べることができることなど、画期的なメリットがあります。

航空業界のプロフェッショナルとしてプロジェクトの継続を⽀える

地球温暖化研究のための大気観測は、1993年より、気象研究所、日本航空、日航財団(現在のJAL財団)がオーストラリア-成田間の航路で、ボーイング747-200型機にタイマーで大気を収集するフラスコサンプリング装置を搭載して、観測を実施してきました。しかし、搭載機の退役に伴い、2002年頃、新しい大気観測装置を搭載することが検討されていました。

そして2003年には、国立環境研究所、気象研究所、東北大学、宇宙航空研究開発機構、日本航空インターナショナル(現在の日本航空)、日航財団、ジャムコをメンバーとする産学官連携の新たな共同研究プロジェクトが発足。ジャムコはASE(自動大気サンプリング装置)、CME(二酸化炭素連続測定装置)の2種類の新しい大気観測装置を開発すること、及び装置を航空機に搭載するための承認を取得することを担当しました。これらの新しい装置による観測活動は、2005年から「CONTRAILプロジェクト」(プロジェクト名称の使用は2007年から)として現在も行われています。

航空業界のプロフェッショナルとして大気観測の継続を支えていくことが、このプロジェクトにおけるジャムコの使命です。観測が始まって以来、装置を搭載していた航空機の退役や航路変更により、新たな航空機に搭載するための改修や、観測装置の機能を向上させる改修などをジャムコが実施しています。観測開始から10年以上を経て、今後の10年も継続して観測ができるよう、入手が困難な内部部品に対し代替部品の使用を可能にするための改修をはじめ、新たな観測装置の開発や新たな機体への搭載についての研究など、プロジェクトの継続と発展に向けた努力を続けています。

CME(二酸化炭素連続測定装置)
拡大
CME(二酸化炭素連続測定装置)
ASE(自動大気サンプリング装置)
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ASE(自動大気サンプリング装置)
ASEの搭載前整備
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ASEの搭載前整備

観測結果は貴重なデータとして世界で活用

ASEは、あらかじめプログラミングした12地点の大気を自動で収集して地上に持ち帰ることができ、国立環境研究所で、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、一酸化炭素、水素の濃度を分析しています。これらの観測データは1993年から始めた旧ASE観測を含めると、南北両半球の温室効果ガスの緯度分布について、長期間にわたる継続した観測として世界最長の記録です。また、CMEは航空機の上昇中、巡航中、降下中に二酸化炭素濃度を連続して高精度で測定・記録することができます。

このような温室効果ガスの濃度を、地球規模で高頻度に測定し、データを蓄積するプロジェクトは世界でも初めての試みです。長年の観測による貴重なデータは、現在、国立環境研究所を通じて世界中の研究者に提供されており、そのデータを活用した研究成果は数多くの学術論文や学会発表の形で全世界に発信されています。

今後も、安定的な観測をバックアップすることを通じて、地球温暖化研究に貢献し続けていきます。

関連ニュース(研究成果・受賞暦等)

・2017年12月 CONTRAILプロジェクトが地球温暖化防止活動環境大臣賞「国際貢献部門」受賞

・2016年12月 CONTRAILプロジェクトから明らかになった研究成果を発表

・2015年5月 「CONTRAIL」が地球環境大賞において特別賞を受賞

・2014年11月 大気観測プロジェクトが、ボーイングのecoDemonstrator787 フライトテストに参加

・2013年10月 大気観測プロジェクトCONTRAILが日韓国際環境書賞を受賞

・2013年6月 大気観測プロジェクトCONTRAILが環境賞において優秀賞・環境大臣賞を受賞

・2012年7月 航空機による大気観測プロジェクト特別塗装機のフライト開始

・2007年6月 新大気観測装置の開発を担当した弊社後藤啓太が航空技術協会会長賞を受賞

 関連サイト

>国⽴環境研究所 CONTRAILプロジェクトのウェブサイト(英語)

>JAL CONTRAILプロジェクト紹介ページ