ジャムコグループは、すべての人々の人権尊重を常として事業に取り組んできました。
「誠実で、人を大事にする会社」であり続けるために、従業員の成長を支え、誰もが生き生きと働くことができる職場環境づくりを推進しています。

ステークホルダーエンゲージメント

ジャムコは事業活動を行なううえで、お客さま・取引先・地域社会・従業員を含むすべてのステークホルダーの皆さまから信頼される誠実な企業を目指しています。ステークホルダーとの対話は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するものと考え、積極的に実施しています。当社グループに対するご意見やご期待を的確に把握し、事業活動に反映させることでステークホルダーとの良好なエンゲージメントに努めています。

マルチステークホルダー方針

令和7 年3 月24 日

当社は、経営理念を礎として、持続可能な社会の実現を目指して、マルチステークホルダーの皆さまとの信頼関係を大切に、豊かな社会づくりに貢献していきます。当社の経営理念は、お客さまの喜びと社員の幸せを求めていくことを掲げており、株主の皆さまはもとより、従業員、取引先、顧客、地域社会など、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながるという観点から、従業員への還元や取引先への配慮が重要であることを踏まえ、以下の取組を進めてまいります。

1. 従業員への還元

当社は、いきいきと働くことができる職場環境づくりや教育訓練等を中心とする人財育成を推進し、社員一人ひとりの仕事への誇りと高い技術力をもって、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力します。これにより生み出した収益・成果に基づいて、当社の状況を踏まえた適切な方法による賃金の引上げを行うとともに、従業員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するよう、教育訓練等を中心に積極的に人財投資に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指します。

個別項目

具体的には、賃金の引上げについて毎年度、規定に沿った定期昇給を実施するとともに、ベースアップや成果に応じた適切な利益配分を考慮した賞与の支給に努めてまいります。教育訓練等については、「DX 人財育成」「階層別研修」「選抜式研修」「専門スキル研修」「語学研修」「テーマ別研修」「自己啓発研修」等の各研修を通じて、従業員のスキルや能力、モチベーションの向上に取り組んでまいります。

2. 取引先への配慮

当社はパートナーシップ構築宣言の内容遵守に、引き続き、取り組んでまいります。
なお、パートナーシップ構築宣言のポータルサイトへの掲載が取りやめとなった場合、マルチステークホルダー方針の公表を自主的に取り下げます。

パートナーシップ構築宣言の登録日

令和5 年4 月10 日

パートナーシップ構築宣言のURL

また、消費税の免税事業者との取引関係についても、政府が公表する免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関する考え方等を参照し、適切な関係の構築に取り組んでまいります。

人権の尊重

人権方針

ジャムコグループは、経営理念の実現と持続的成長のために、人権を尊重する責任を果たします。

 

  1. 国際人権基準※に基づき、人権を尊重する取組みを推進し、持続可能な社会づくりに貢献します。
  2. 国際人権基準に基づき、事業活動を行う国及び地域の法令を遵守します。
  3. 人権への負の影響を発生させる行為はしません。
  4. 人権への負の影響を発生させた、又は関与した場合には、速やかにその救済の手続を取ります。
  5. 人権への負の影響を発見した場合の通報先として、社内又は社外のホットライン窓口を運用します。
  6. 人権への負の影響を発生させるリスクの回避及び低減に取り組みます。
  7. 人権について、全役職員に対する啓発活動を推進します。
  8. ビジネスパートナー等に対し、人権を尊重し、負の影響を発生させないように求めます。
  9. 事業活動に関連する人権問題について、ステークホルダーと適切に対話し、情報開示を行っていきます。

※ 「 国際人権基準」は、次の考え方などに代表される「ビジネスと人権に関する国際人権基準」を指す
・「世界人権宣言と国際人権規約」(国連)
・「労働における基本的原則及び権利に関するILO 宣言」(ILO/国際労働機関)
・「ビジネスと人権に関する指導原則」(国連)

基本的な考え方

ジャムコグループは、コンプライアンス規範において、関連する法律、国際ルール、社内規程類などを遵守するとともに高い倫理観と社会的良識をもって行動することを誓約しています。本規範に基づき、「国際人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に記された人権を尊重したうえで諸法令を遵守することとし、人種、宗教、性別、年齢、性的志向、障がい、国籍などによる一切の差別と児童労働、強制労働、過重労働およびハラスメントを禁止しています。また、結社の自由や団体交渉権、最低賃金をはじめとする従業員の基本的権利を尊重しています。これらの事項は、サプライチェーン全体に対しても、遵守を求めています。

推進体制

人権と労働に関する事項は、CSR 推進委員会が中心となってグループを統括しています。CSR推進委員会は、サステナビリティ推進担当執行役員を委員長に、定期および随時に開催しており、人権に関する研修や人権リスクへの対応など、人権に関する活動全般を推進しています。

人権に関する通報・相談窓口

ジャムコグループでは人権侵害の早期発見と是正を可能にするため、通報窓口を適切に運用するとともに、実効性ある仕組みづくりに継続して取り組んでいます。
コンプライアンスホットライン(通報・相談窓口およびハラスメントなど相談窓口)を社内外に設置し、各窓口では匿名の相談も受け付けています。寄せられた通報・相談内容については、厳格な守秘義務を負った窓口従事者が、社内関係部署および外部コンサルタント、弁護士などと連携し、可能な限り誠実かつ迅速な対応に努めています。具体的な運用方法を定めた社内規則には、通報者が不利益を被ることがないよう、通報者の保護を定めるとともに、定期的な研修その他の方法によって、通報・相談窓口の連絡先や正しい知識を周知徹底することなどにより、運用の高度化に取り組むことを定めています。

人権デュー・ディリジェンス

ジャムコグループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、2023年度より人権デュー・ディリジェンスを開始しました。
実施状況は以下の通りです。

2024年度は国内外の拠点を対象に、適用法規制および社内規程類の確認、経営層や人事・調達部門に対するインタビュー、国外拠点の全役職員を対象としたオンラインサーベイを実施し、外部専門機関とともに事業における人権リスクの特定、評価を行ないました。また、人権に関する理解促進のため、社内外に対して勉強会を開始しています。
加えて、サプライチェーンにおける人権リスクを可視化するため、主要なサプライチェーンに対して基礎情報分析を実施し、そのなかから代表的な10社を選定してサーベイを行ないました。そのリスク分析結果は、事業部の調達業務担当者と共有し、妥当性の確認および意見交換を実施しています。
なお、取引先には、1年に1回CSRアンケート調査を実施し、そのなかで人権に関するリスクアセスメントを行なっています。

今後もジャムコグループは継続的に人権に関するリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえて関係者間で対応方針を協議するなど、人権デュー・ディリジェンスの取組みを一層推進していきます。

人権啓発活動

ジャムコグループでは、人権に関する啓発活動として、すべての役職員にコンプライアンスハンドブックを配布しており、基本的人権の尊重に関する行動指針において次の通り表明しています。

  • 私たちは、あらゆる場面で接する人々の基本的人権を尊重します。
  • 私たちは、人種・国籍・信条・性別・年齢・社会的身分・出身地・疾病・障がいなどによる差別を行ないません。また、性的少数者(セクシャルマイノリティ)に対して、差別を行ないません。

ほかにも、役職員向けの定期研修に加え、2023年度は経営層・海外グループ会社幹部への研修を実施しており、役職員の人権意識は年々向上しています。
日々の事業活動のなかでは、職場の仲間はもちろん、お客さまや取引先、地域社会の皆さまなど、さまざまな考え方や価値観を持つ人たちと接する機会がありますが、社会生活の基本として、相手を否定することなく、お互いに認め合い、敬意と尊厳を持って接するように啓発しています。

カスタマーハラスメントに関する指針

ジャムコグループは、航空業界に軸足を置き事業を展開する上で不可欠な、安全と品質に十分配慮し、そして技術力を生かした付加価値の高い製品やサービスを提供し続けることで、自らが持続可能な企業となり、ひいては健全で持続可能な社会づくりに貢献することを目指しています。この実現のためには、当社グループで働く役職員とお客様(お取引様を含みます。以下同じ。)の人権が尊重され、適切な就業環境が確保されることが不可欠と考え、ジャムコグループでは「カスタマーハラスメントに関する指針」を策定しています。

1. カスタマーハラスメントに対する当社の対応方針

お客様の要求・言動が以下に定める「カスタマーハラスメントの定義」に該当すると当社が判断した場合、その後のお取引等を中止させていただくことがあります。
また、必要に応じて、適切な法的措置(警察への通報等を含みます。)を講じ、カスタマーハラスメントに対して毅然と対応します。

2. カスタマーハラスメントの定義

当社グループにおいては、以下の3つの要件を満たすお客様からの行為を、カスタマーハラスメントと定義します。

❶お客様からの要求・言動等のうち、
❷当該要求・言動等の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、
❸当該手段・態様により、当社の従業員の就業環境が害されるもの

3. カスタマーハラスメントの具体例

当社グループにおいては、以下のようなお客様の行為は、上記の定義に照らし、カスタマーハラスメントに該当するものと考えます。

 

  • 暴力、誹謗中傷、侮辱、脅迫、差別的な言動
  • 威圧的な言動、過剰な要求
  • 長時間に及ぶ拘束、不合理な要求を繰り返す行為、執拗な問合せ行為
  • 過度な謝罪要求
  • 許可のない従業員や施設の撮影
  • SNS/インターネットへの投稿・誹謗中傷
  • 性的な言動
  • 従業員個人への攻撃、要求

4. 社内対応

社内においては下記に取り組み、発生予防と発生時の円滑な対応、被害者のサポートに努めます。

  • カスタマーハラスメント発生時の対応体制の構築
  • カスタマーハラスメントの知識、対応体制の周知、自らが業務委託先や協力企業などの外部企業の就業者に対しカスタマーハラスメントを行わないことを含めた社内教育の実施
  • カスタマーハラスメントを受けた従業員のケア

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

ジャムコグループは、さまざまな背景を持つ従業員が活躍できる職場環境を整え、人財のダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公正性)およびインクルージョン(包括性)の推進を図ることで、グループの持続的成長とより良い社会づくりに貢献していきます。

ワークライフバランスの推進

ジャムコグループは多様な人財が生き生きとやりがいを持って働き、能力を最大限発揮できる職場環境を整えるために、従業員のワークライフバランスを推進する各種制度を整えています。
当社では一般事業主行動計画を策定し、仕事と子育ての両立を推進しており、育児休業後の職場復帰や待機児童問題などに対応しています。主要事業拠点(立川地区)では、テナント・オーナーが開設した企業主導型保育所を優先的に利用できる環境を整えています。また、従業員のニーズに対応し、育児を対象とした在宅勤務制度を導入しており、女性従業員のみならず男性従業員にも広く活用されています。
これからも当社では、従業員が働きやすい環境づくりを従業員とともに検討し、充実を図っていきます。

子育てサポート企業としてくるみん認定を取得

2024年5月13日、当社は東京労働局長から基準適合一般事業主認定通知書を受け、「くるみん」認定を取得しました。「くるみん」は「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証であり、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業に認められる認定です。

GLTD(団体長期障害所得補償保険)制度の導入

当社は2022年度よりGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入しており、従業員が就業不能状態となってしまった場合に、安心して療養に専念できる環境を整え、早期の就労復帰を支援しています。

一般事業主行動計画

従業員が仕事と子育てを両立させることができ、従業員全員が働きやすい環境をつくることによって、従業員がその能力を十分に発揮できやすくするようにする。また次世代育成支援に加え、女性の活躍の推進を行なうために、次のように行動計画を策定する。

1. 次世代育成支援(期間:2023 年4 月1 日~ 2026 年3 月31 日)
目標1 年次有給休暇の時間単位取得の導入
<取組内容>

● 2023 年4 月~労働組合との協議、運用および制度の決定。

目標2 航空業界人財創出のための就業体験機会の提供
<取組内容>

● 2023 年4 月~工場見学会、インターンシップなどの開催。

2. 女性活躍推進(期間:2023 年4 月1 日~ 2026 年3 月31 日)
目標1 女性の役職者(主任以上)の割合を10%以上とする。(2025 年3 月31 日現在11.00%)
<取組内容>

● 2023 年4 月~交流機会の設定などによる女性同士のネットワーク形成支援や、フェムテックへの取組みを通じて、女性がより働きやすい環境をつくっていく。
教育やワークショップなどを通じて、女性が役職者を目指すきっかけづくりと育成を行なう。

目標2 計画期間内において女性従業員の育児休業取得率100%を維持するとともに男性従業員の育児休業取得率の維持、向上(50%以上)を目指し、男性の育児への参画に取り組む。
<取組内容>

● 2023 年4 月~育児休業制度の周知徹底。育児休業者の円滑な職場復帰を支援する。

主なワークライフバランス支援制度と利用実績(2024年)

※  その他、育児フレックス勤務、時間外勤務免除制度、深夜残業免除制度、育児休業者復帰プログラム(WIWIW)、介護支援休暇などがあります
※ 利用実績の対象は正社員、パートタイマー社員、嘱託社員です

総実労働時間の短縮

年次有給休暇の取得促進

管理職を含めた全従業員の年休取得8日以上を目標とし、2025年3月時点の達成率は100%となっています。2025年度からは時間単位の年休取得を可能とするなど、多様な年休取得ニーズに対応すべく、制度の見直しに取り組んでいます。

時間外労働時間の削減

時間外労働時間の削減を目的に、労使が参画する「時間外労働時間削減協議会」を定期的に開催しています。各組織が抱えている諸問題について、実態に即した協議を重ねています。

計画に基づく時間外労働時間管理の徹底

勤怠システムでは警告アラートなどの機能により本人および管理者自身が時間外労働時間の管理をしやすくすることで、残業の超過などを未然に防ぐことができます。

柔軟な働き方の提供

労使関係

当社では、労使協調のもと、より良い職場づくりに向け取り組むとともに、ジャムコ労働組合との間で労働協約を結び、賃金、労働時間、安全衛生、福利厚生など解決すべき課題や会社の向かうべき方向について真摯に話し合い、良好な信頼関係を築いています。
また定期的に、「中央労使協議会」を開催し、代表取締役社長をはじめとする経営幹部の出席のもと、さまざまなテーマについて意見や情報を交換しており、制度や施策の充実に取り組んでいます。
2025年3月時点で、ジャムコ労働組合の組合員数は706名で、組合加入資格者の加入比率は100%となっています。

在宅勤務への柔軟な対応

2024年度に「在宅勤務の運用に関するガイドライン」を設けました。特定の事由がなくても、週1日の在宅勤務を認めるなど、従業員の柔軟な働き方を実現するための施策に取り組んでいます。

障がい者雇用

ジャムコグループでは、障がいを持つ人の雇用創出と活躍推進に継続的に取り組んでいます。
グループ各社において、障がい者がともに働きやすい職場環境の整備に努めるとともに、1999年に設立した特例子会社で、工場内の補助的作業を委託している株式会社オレンジジャムコ(当社100%出資、社員数32名、2025年3月現在)における雇用も積極的に進めています。障がい者雇用率は3.3%(2025年3月現在、法定雇用率2.5%)となっています。
今後も障がい者の能力を引き出して働く意欲を高められるよう、努力を続けていきます。

人財育成

人財育成の基本方針

経営理念の実現とともに会社の持続的成長に資する人財育成を基本とし、その重要な施策である教育訓練は、実施体制や内容などを社内規程に定めて計画的に実施しています。
当社は、「航空業界を基軸に、技術力を活かした付加価値の高い製品およびサービスを供給する」を経営基本方針の一つに掲げ、飛行安全の確保と品質の向上を最優先に顧客のニーズに応える製品・サービスを供給しています。それを支え、実現する人財には、誠実かつ公正な倫理観、専門的で高度な知識・技量・能力、さらには豊富な経験が求められます。また最近では、産業構造の変質やデジタル技術の進展などによって、新たなリスク対応や事業機会の創出なども課題であり、こうした課題にも対応できる人財が必要になってきています。以上のような人財を計画的、継続的に育成するために、当社では教育訓練システムを定めて運用し、必要に応じてその内容を適宜見直しながら人財育成を推進しています。

人財育成体制

教育訓練に関する社内規程に教育訓練の実施体制や教育体系などを定めています。教育体系は以下の項目にて構成しています。各研修の位置づけは、次ページの教育体系図にて示しています。

a.階層別研修

階層別研修は、新たな昇格者向けにエントリー研修とフォローアップ研修で構成し、当該役職に期待される役割の理解とそれに応じた能力の向上および職場で直面する課題解決の思考や手法などの習得を目的としています。

b.選抜式研修

将来の幹部候補者を選抜して早期に育成するための研修で、事業環境を認識しながら気付きを得られるよう自覚と行動変革を促すとともに、マネジメント能力の向上を図っています。
また、女性活躍推進も重要な経営課題としており、女性リーダーおよびその候補者育成のためのトレーニングプログラムを通じて、リーダーとしての役割を理解して自覚を促すとともに、ビジネススキルを向上させる研修を実施しています。

c.語学研修

会社の国際競争力向上に向けて、海外派遣プログラム、語学学校の研修プログラム、E-learningやオンライン英会話など種々のカリキュラムを実施しています。

d.専門スキル教育

職務上必要となる社内資格や公的資格、専門的な知識・技術・技能などを習得するため、各事業部による専門教育を計画的に実施しています。

e.テーマ別研修

各種法令、社会情勢や事業環境の変化などに応じて、コンプライアンスや情報セキュリティをはじめ、一般的、専門的知識の醸成を目的とした研修を随時実施しています。

f.自己啓発支援

個人のキャリアアップ、スキルアップに資する各種通信教育、E-learningなどの自己啓発教育を自律的に受講する制度を設けています。

教育体系図

近年の人財育成においては以下2点について重点的に取組みを推進しています。

グローバル人財の育成

欧米主要航空機メーカーや各国エアラインとのビジネス、また海外グループ拠点など、国際舞台でリーダーシップを発揮できるグローバル人財の育成は当社にとって重要な課題です。
当社では単なる語学力向上のみならず、異なる文化・慣習の吸収ならびに、ビジネス現場に近い環境での語学活用能力を高め、グローバル人財としての土台づくりを目的に、米国大学における語学研修プログラムへの派遣やフィリピンの語学学校への短期留学などを実施しています。

DX人財の育成支援

当社は、JAMCO Vision 2030においてHRX(戦略的DX人財育成)を主要課題の一つとして掲げ、人財開発を通じてイノベーションを創出する組織づくりを目指し、取組みを加速しています。
また、全役職員にDX時代に適応する人財育成プログラムを実施するためHRXワーキンググループを組成し、人財育成プログラムを設計しました。このプログラムは2023年度から運用を開始しています。

技術者の体系的教育

人財育成と魅力的な職場づくり

当社は、従業員一人ひとりが最も重要な経営資源であり、従業員の成長こそがジャムコの持続的発展につながるものと考えています。その基盤となる人財育成に取り組むとともに、生き生きと働ける魅力的な職場環境づくりを推進しています。また、従業員が高いモチベーションで働ける公平・公正な評価制度を整備しています。
従業員意識アンケートを原則2年ごとに実施しており、その結果を経営層を含め全社へフィードバックしています。年に1回実施しているストレスチェックについては、詳細なフィードバックレポートを関係者に配信するとともに、職場環境を改善するための具体策を指導するなど、従業員満足度やエンゲージメントの向上にも努めています。

人財獲得・育成への取組み

当社は、持続的成長のために、「グローバルな視点やマインドを持っている人」、「強い意志を持ち、自ら考え行動できる人」、「周囲と協力し、より大きな力を生み出せる人」、「責任感を持って、最後まであきらめない人」を求める人物像に掲げて人財の獲得に努めています。
採用活動では座談会や面接、内定者のフォローアップなどを通じ、ジャムコで働く具体的なイメージを伝え、入社後のミスマッチを防ぐようにしています。
人財の定着では、入社後の働きやすさや働きがいの向上につなげるために「新人サポート制度」や「新入社員フォローアップ教育」などの施策を実施しています。
また従業員一人ひとりが高いモチベーションを維持し、能力を発揮していけるように、キャリアデベロップメントプログラムを策定しており、キャリアローテーション制度、サクセッションプランを運用しています。
福利厚生面では、育児・介護と仕事との両立を図るために、ワークライフバランスのための休暇制度の充実や介護支援紹介サービスの提供、また在宅勤務制度や短時間勤務制度などを設けています。

労働安全衛生

労働安全衛生の基本方針

労働安全の確保は、経営の最も重要な基盤であり、社会への責務です。ジャムコは、安全衛生への意識を高め、誰もが心身ともに健康で安全に、安心して働くことのできる職場環境づくりを目指すことを基本方針としています。安全衛生活動の推進組織として、人事担当執行役員を委員長とする中央安全衛生委員会を置き、また地区ごとに地区安全衛生委員会を設置し、組織的に活動しています。

安全衛生管理体制

※ 地区ごとの安全衛生担当者として、従業員規模に応じて統括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、産業医を配置しています
※ 地区ごとに労働安全衛生法に定められた作業主任者を選任しています

労働安全衛生重点項目の取組み

2024 年度は「安全・安心」な職場環境づくりに努め次の重点項目に取り組みました。

2024年度重点項目

 

  1. 安全衛生水準向上のための安全衛生教育の実施
  2. 従業員の健康管理体制の強化
  3. メンタルヘルスケアへの取組み
  4. 長時間労働に対する取組み強化
  5. 派遣会社への安全衛生活動の支援・協力の要請

当社では従業員の健康を守るため法定のストレスチェックに加えて階層別のメンタルヘルス教育を行なっているほか、健康診断受診の義務化、一定年齢以上の人間ドック受診支援、24時間健康相談を受け付ける外部相談窓口を設置するなど、健康維持のための環境を整えています。

災害時の対応

労働災害や震災時の対応などについて、従業員などへの周知や工場勤務の従業員を対象とした安全衛生教育の実施、安否確認の訓練など、社員の安全意識向上にも日々取り組んでいます。
グループ会社である株式会社徳島ジャムコでは2025年1月、連続無災害記録7,000日を達成しました。1996年12月から28年以上にわたり業務上の休業災害が発生しておらず、先輩方々ならびに社員全員の安全に対する意識と努力により達成できた非常に輝かしい記録です。
今後も無災害記録の更新を目指し、安全意識の向上ならびに安全教育の充実に努めます。

安全と品質

お客さまへの責任

ジャムコは、安全と品質への配慮を第一に、お客さまにご満足いただける製品とサービスの提供を通じて、社会に貢献しています。

飛行安全の確保

ジャムコは経営基本方針の第一に、「飛行安全の確保と品質の向上を図る。」を掲げています。航空業界に軸足を置き事業を展開するうえで不可欠な、安全と品質に十分配慮し、そして技術力を活かした付加価値の高い製品やサービスを提供し続けることで、自らが持続可能な企業となり、ひいては健全で持続可能な社会づくりにも貢献したいと考えています。

安全文化の醸成と品質向上への取組み

ジャムコは、航空機およびその装備品などの製造、整備などを通じて、お客さまの安全運航に貢献しています。
ジャムコグループの安全・品質マネジメントシステム(管理体制)を盤石な体制にし、組織横断的に安全文化の醸成と品質の向上に取り組み、PDCAを確実に回すことで、製品およびサービスの品質向上、安全性の確保、お客さまからの信頼の向上に努めています。

安全方針

 

安全最優先の原則
「航空安全の確保は、当会社における最も重要な基盤であり、顧客および社会への責務である。」

 

関係法令などの遵守の原則
「私たちは、関係法令などを遵守し、互いに協力連携して、航空安全を追求します。」

 

安全管理体制の継続的改善の原則
「航空安全のために、全役職員が一丸となって安全マネジメントシステムを機能させ、改善に取り組み続けます。」

安全マネジメントシステム

ジャムコは、グループ企業と一丸となって航空安全を推進しています。ハザード、リスクおよび不安全事象などに対して、安全を推進する部門が網羅・集約して、航空安全を推進し、全役職員が一丸となってお客さまの安全、航空の発展に努めています。

品質方針

 

ジャムコグループは、航空産業に携わるものとしての誇りと責任を自覚し、お客さまが安心できる製品およびサービスを提供し続けます。

品質保証体制・検査体制の強化

品質管理を徹底するため、製造部門と品質保証部門、品質監査部門および検査部門の連携を強化し、品質マネジメントシステムのさらなる追求を推進しています。

品質マネジメントシステム

経営責任者が定めた品質方針を基盤とし、各組織の業務形態に合わせた品質方針をJIS Q 9100の要求事項に基づき確立し、実施し、維持することにより、お客さまにご満足いただける高品質な製品とサービスの提供を積極的に推進しています。

マネジメントシステムの認証維持・継続

当社の事業は航空宇宙産業特有の高度な品質保証体制が求められており、日本および海外航空局の認定、JIS Q9100「品質マネジメントシステム」およびISO27001「情報セキュリティマネジメントシステム」などの認証を取得して、それぞれの事業内容にふさわしい品質保証体制などを構築しています。

サプライチェーンマネジメント

ジャムコグループは、良きパートナーとして取引先とともに発展できるよう、常に誠実な対応を心掛け、公正で健全な関係構築に努めています。
当社では従来、各国・地域の法令に則り、社会規範を遵守した調達を推進してきました。しかし近年の社会的要請の高まりを受けて、取引先とともにCSRに取り組み、社会への責任をより積極的に果たしていく必要があると考えています。調達方針をグループ企業と共有し、取引先とも協力しながらサプライチェーン全体での取組みを進めています。

調達方針

ジャムコグループは、調達方針を定め、取引先に対してもその遵守を求め、サプライチェーン全体でCSR活動を推進しています。

1. 健全な取引関係の構築
・取引先との相互理解と信頼関係を大切にし、健全な取引関係を維持します。
・すべての取引について、公正且つ適正な取引条件を遵守します。
・取引先の経営状況、技術力、企業姿勢などを評価し、企業の社会的責任を尊重した取引を進めます。

2. 取引先の公正な選定と適正な調達
・品質、価格、納期などの客観的な購買基準と合理的な判断に基づき、取引先を選定します。

3. 不明朗な関係の排除
・公正、公平で透明な取引に努め、業務に関連した個人的な報酬、口銭の授受及び社会的常識範囲外の接待や贈与を受けません。

4. 法令遵守・倫理
・取引を行う各国及び地域の関連する法令を遵守します。
・業界基準及び動向を常に注視し、これを尊重した取引に努めます。
・下請代金支払遅延等防止法に定められた親事業者の義務を遵守し、独占禁止法に定められた優越的な地位の濫用として禁止されている不公正を行いません。
・取引に関連する機密事項を漏洩しません。
・提供を受けた情報や知的財産を提供者の了解なく社外に公表しません。
・紛争鉱物に対し、サプライチェーンの透明性の確保と責任ある調達を実施します。

5. グリーン調達
・グリーン調達を推進し、環境保全、資源保護などに充分配慮した取引を行います。

6. 人権の尊重及び労働安全衛生
・基本的人権を尊重し、労働環境や安全衛生に配慮した調達活動を推進します。

パートナーシップ構築宣言

当社は、サプライチェーンの取引先の皆様や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築するため、以下の項目に重点的に取り組むことを宣言します。

1. サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
直接の取引先を通じてその先の取引先に働きかける(「Tier N」から「Tier N + 1」へ)ことにより、サプライチェーン全体での付加価値向上に取り組むとともに、既存の取引関係や企業規模等を超えた連携により、取引先との共存共栄の構築を目指します。その際、災害時等の事業継続や働き方改革の観点から、取引先のテレワーク導入やBCP(事業継続計画)策定の助言等の支援も進めます。

個別項目
環境負荷の少ない商品・サービスや、環境配慮に積極的に取り組んでいる企業から、優先的に調達を行うように努めます。

2.「 振興基準」の遵守
親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)を遵守し、取引先とのパートナーシップ構築の妨げとなる取引慣行や商慣行の是正に積極的に取り組みます。

①価格決定方法
不合理な原価低減要請を行いません。取引対価の決定に当たっては、下請事業者から協議の申入れがあった場合には協議に応じ、労務費上昇分の影響を考慮するなど下請事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議します。取引対価の決定を含め契約に当たっては、親事業者は契約条件の書面等による明示・交付を行います。

②型管理などのコスト負担
契約のひな形を参考に型取引を行い、不要な型の廃棄を促進するとともに、下請事業者に対して型の無償保管要請を行いません。

③手形などの支払条件
下請代金は可能な限り現金で支払います。手形で支払う場合には、割引料等を下請事業者の負担とせず、また、支払サイトを60日以内とするよう努めます。

④知的財産・ノウハウ
知的財産取引に関するガイドラインや契約書のひな形に基づいて取引を行い、片務的な秘密保持契約の締結、取引上の立場を利用したノウハウの開示や知的財産権の無償譲渡などは求めません。

⑤働き方改革等に伴うしわ寄せ
取引先も働き方改革に対応できるよう、下請事業者に対して、適正なコスト負担を伴わない短納期発注や急な仕様変更を行いません。災害時等においては、下請事業者に取引上一方的な負担を押し付けないように、また、事業再開時等には、できる限り取引関係の継続等に配慮します。

 

2023 年4 月10 日

CSRアンケート調査

2024年度SAQ 回答結果(全社平均)
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2024年度SAQ 回答結果(全社平均)

グループ会社と取引先のCSRの現状を把握するために、CSRアンケート調査を2017年度より継続実施しています。
2024年度も、2021年度より採用しているグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が策定した
「CSR調達セルフ・アセスメント質問表(共通SAQ)※」を用いて調査を実施しました。アンケートは54社(航空機整備・製造事業部の取引先15社、航空機内装品事業部の取引先36社およびグループ会社3社)にご協力いただきました。
全項目の平均得点率は、2022年度:71ポイント、2023年度:73ポイント、2024年度:74ポイントと継続的に上昇しています。当社が改善を要すると判断したサプライヤーに対しては、相互に課題を確認のうえ改善に向けた支援などに努めていきます。
※  CSR調達セルフ・アセスメント質問表(共通SAQ)は、サプライチェーンを構成するすべての企業が、SAQ の回答を通じて相互理解を深め、グローバルレベルでのCSR調達が実践できるよう、国連グローバル・コンパクトの10原則をはじめ、ISO26000やGRIなどの国際規格との整合性に配慮して作成されたものです。

紛争鉱物への対応

コンゴ民主共和国およびその周辺国において産出されるタンタル、スズ、タングステン、金の4種類の鉱物(紛争鉱物)が、当地で残虐行為を行なっている武装勢力の資金源となっていることが国際問題となっています。当社では、当地の紛争を助長することがないよう、紛争鉱物と認められた原材料の不使用を宣言するとともに、お客さまからの紛争鉱物規制に関する調査・報告の要請にも適切に対応しています。
また、これら4種類の鉱物に関係する原材料の調達先に対し、紛争鉱物を含有していないことの誓約書の提出を求めています。

地域社会への貢献

地域ボランティア活動

ジャムコグループは、地域社会の一員として皆さまとの関係を大切に考えています。地域の皆さまとの交流や教育、学術支援、産官連携による共同研究開発などをはじめ、ボランティア活動などの社会貢献活動を展開しています。

立川市社会福祉協議会への食品寄付
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立川市社会福祉協議会への食品寄付

サプライヤーにおけるサステナビリティ活動

当社はマテリアリティの一つに「サプライチェーンにおける関係者との信頼関係強化」を掲げており、サステナビリティへの貢献にはサプライヤーの皆さまとの協働が不可欠だと考えています。
今回は、当社が毎年実施しているCSRアンケートにご協力いただいているお取引先さまのなかから、独自のサステナリティ活動に尽力されているサプライヤーさまをご紹介します。

株式会社 クレタス

事業内容: 搬送ベルト製造、樹脂加工、ゴム加工
本  社:東京都八王子市
従業員数:106名

地球に優しく、ホタルに優しく

LED照明器具への切り替えを順次進めているほか、人感センサーを活用して電力消費を抑えています。
自社の裏にホタルの生息地があり、夜間は建屋外に明かりが漏れないよう地域の皆さまと対話しながら対応しています。

地域と地球、そして人

2024年、社員有志を募り「SDGsチーム」を結成し、社長直轄で活動をはじめました。
初めに取り組んだのが「SDGs宣言」の策定でした。数ある課題のなかから、クレタスにとって特に大切なことを議論し、地元に根差した社風から「地域貢献・社会貢献」、「地球環境への配慮」、「働きがいのある職場づくり」の順に掲げることとしました。
特に地域貢献について、当社は東京都八王子市、長崎県諫早市、新潟県胎内市と各地に拠点があり、地元駅伝大会への協賛や、地元の交通安全団体への協賛、清掃活動などに取り組んでいることから、「クレタスらしさ」をより発揮できる領域と考えています。
今後も社員の声を活かしつつ、SDGs活動の活性化に取り組んでまいります。

株式会社 クレコオ

事業内容:精密金属加工
本  社:東京都町田市
従業員数: 45名

モノづくりの知識を海外へ

クレコオではベトナムからの技能実習生を迎え、日本のモノづくり習得の機会を提供しています。
日本語学習を終えてから来日する彼らの学習意欲は高く、クレコオも彼らの母国でのモノづくり発展に貢献すべく、3年の在籍期間に多くの技術・技能を伝えています。

オイルミストの回収を徹底

金属を切る・削る(切削加工)際に、冷却などを目的とした潤滑油を用います。高速で加工する刃具や素材(ワーク)に潤滑油が触れると、液体として飛散するだけでなく、蒸発または微粒子状になって霧散します。これが「オイルミスト」です。
工場内を漂うオイルミストは、内壁や床への付着だけでなく、作業者への悪影響が懸念されることから、クレコオでは徹底した回収に取り組んできました。
加工部をカバーで覆いミストを回収した後、フィルターで除去しています。また、潤滑油はリサイクルし資源循環に努めています。
クリーンな工場を保ち、かつ作業者にも優しい職場を実現しています。